素敵な出会いは煙突から
2006年03月02日(木)19:25
サンタクロースの孫。
サンタの孫はバンドに憧れを抱いていた。
孫サンタがバンドに憧れているのは、彼のお爺さんがジャズバンドのドラマーだったからなんだ。
普段はこのサンタ一家、宅配屋さんを経営。
だから、誰の家がどこにあるかなんて、すぐにわかっちゃう。
……で、ギターが欲しいから買ってくれ、ってサンタの爺さんに話したんだ。
そしたら、今年のクリスマスに仕事を手伝ってくれたら考えてやってもいい、って言われて……。
で、今年は爺さんと孫のふたりでプレゼント運び。
イブの夜、孫は初めての仕事に慣れないものだから、足を滑らせて暖炉に落ちちゃう。
ドスンという音に目が覚めたのは、その家のお嬢さん。
歳は 18 ぐらい。
未だにサンタクロースを信じているお嬢さん (笑)。
で、空から降ってきたサンタの孫は慌てて暖炉の煙突をよじ登ろうとするけど、袋が邪魔でなかなか上がれない。
それを見て クスクス笑うお嬢さん。
なんとかよじ登って脱出。ちょうど、その家で最後だったので、ふたりのサンタさんは帰宅。
サンタの孫は名前の入ったハンカチを落としていた。
お嬢さんは一目惚れのサンタ孫にハンカチを届けるため、町中を探しまわる。
この孫サンタ、サンタ爺さんから、隣町の配達を頼まれちゃうんだ。
で、お嬢さんはそれを知らずにいつもの町を探しているわけだけど、当然孫サンタには会えない。孫サンタが隣町にいるっていう噂を耳にして、慌てて隣町へ行くんだけど、ちょうど、入れ違いになっちゃう。孫サンタが家に帰っている頃、お嬢さんは隣町から帰ろうとしていたんだけど、帰りの交通費をどこかで落としてしまったみたい。
お嬢さんの家は隣町からだいぶ離れているの。
ひとり路頭に迷うお嬢さんを、心優しいお婆さんが見つけて、家に招いてくれるんだ。
そして、お嬢さんは孫サンタに会いたいっていう話を、お婆さんにするの。
家族じゃないんだけど、お婆さんは、サンタ爺さんのハトコ。
小さい頃の記憶はあるんだけど、今は全然音沙汰ない、って関係 (苦笑)。
外は突然の吹雪。
お嬢さんはお婆さんの家に泊まったね。
その夜、彼は来ました。
違う人の家に置いてくるはずだったプレゼントを、間違ってそのお婆さんの家に置いてきてしまったんだ。
プレゼントがなくて困っている人からのクレームがあったらしい。
で、孫サンタは煙突から入ろうとした……が、また足を滑らせて落ちてしまう。
大きな物音に目が覚めたのはお嬢さんではなく、お婆さんのほう。
お嬢さんは旅の疲れで熟睡していたの。
煙突から落ちて足をくじいちゃった孫サンタ。
痛み隠して玄関から出ようとする。
なぜ玄関から出るのかと、お婆さんに理由を問われてハッとする。
ハッとしたのはお婆さんの質問ではなく、お婆さんのそばで寝ているあのお嬢さん。
あの時 自分のかっこ悪い姿を目撃したあのお嬢さんが、そこで寝ているということに、冷や汗たらたら。あせって玄関のドアを開けて出ようとしたけど、鍵がかかっていたのよ。
お婆さん、戸締りちゃんとしてるからね。
お婆さんに鍵を開けてもらって、駆け足で消えていく孫サンタ。
トナカイのそりはサンタ爺さんにしか乗ることができないため、孫サンタは列車で来ていたんだ。孫サンタが帰ってしまってから、お婆さんは思い出す。
このお嬢さん、孫サンタに会いたかったんだっけ?
お婆さんは「まあいいか」とつぶやき床に就く。
翌朝、お嬢さんは起きて気が付いた。
孫サンタに届けるはずのハンカチがない!
そう、孫サンタは昨夜、この家を飛び出して行く時に、ちゃっかり自分のハンカチはポケットにしまいこんでいたんだ。どこかで落としたのではと戸惑い探し回るお嬢さん。
お嬢さんはお婆さんから汽車賃をもらい、駅へ向かう。
駅はたくさんの人であふれていた。
するとそこに、あの孫サンタの姿を発見!
しかも、ちょうどトイレから出てきたところなのか、あのハンカチで手を拭いているんだ。
もう、お嬢さんは狐につままれたような気持ちできょとんと見ていたね。
実は昨夜目の前に本人が現れ、自分のハンカチを取り返していた、なんてお嬢さんは知らなかったからね。
お嬢さんは夢でも見ているのかしらと不思議そう。
次の瞬間には人込みの中に孫サンタの姿を見失ってしまう。
お嬢さんはどうしても彼と話がしたくて、また探し回るわけです。
つづく