ディープリンク
2005年01月15日(土)
突然言われ始めたものじゃないんだけど、ウェブ・ページを制作していると避けて通れないもののひとつとしてディープリンクというのがあります。(記事への) 直リンクとか呼ばれていますね。
これ、基本的にオッケーなんじゃないでしょうか? 俺の言いたいことはすでに多くの方が語られています。以下にディープリンクについて触れられているページを紹介します。(これ自体がディープリンク)
なぜトップページ以外にリンクをしてはいけないのですか?、ディープリンクの是非について、ディープリンクは悪い事か、リンクとマナー、「直リン」は悪い事か、大和総研/コラム:「トップページにリンクを・・・」?
これらのサイトでは一様にディープリンクを歓迎しています。
毎度のごとくちょっと脱線するかも知れませんが、ご存知のように HTML はハイパーテキスト記述言語 (マークアップランゲージ) の略。文書同士を結びつけること、今では単に「リンク」と呼ばれたりしていますが、もともとは「ハイパーリンク」という、文字とそれに関連する文書を参照する技術なんです。そんな技術を使って作られた文書が「ハイパーテキスト」で、現在のウェブ・ページの標準として採用されているわけです。そういった文書がウェブ上にあるという時点で、この文書はどこからでも参照できますよ、という意味なんですね。いかなる文書も、どこから参照されても構わないという前提が存在するはずなんです。それを、「サイトの下位ページだからトップのページだけ参照してくれ」だなんて都合のいい話だと思います。
建物なら、人がどこから入ってくるかを想定し、玄関 (入り口) を作ることができるでしょう。しかしウェブサイトとなれば話は別。基本的にどのページも入り口になるのです。よく、こういう話には検索サイトの例が出されたりしますが、何も、検索サービスを経由してページを参照する人だけではないのです。
最近話題となっているブログ。ほとんどのブログでは RSS という技術で最新記事の要約を送出する機能を持っています。いつも見ているサイトが RSS の配信をしていれば、RSS リーダー (読み取りソフト) などに設定しておくことによって、お気に入り (ブックマーク) からページをチェックしに行かなくても自動的に更新情報が表示されるわけです。見る側としては、最短の手続きで最新の情報を得ることができるのですから、もはやトップページをお気に入り (ブックマーク) にしなければいけない理由はありません。
また、多くのブログには RSS と並んでトラックバックという技術も使われています。ブログの作者が他人のブログの記事と関係のある記事を書いたとき、その元記事に対して新記事のほうから「私も関係のある記事を書きましたよ」と通知することができるのです。その際、トラックバックを送信した新記事へ、元記事から自動的にリンクが張られることが多いです。記事から直接記事へ。トップページを経由する必要はありません。
ブログを例にディープリンクを説明しましたが、このサイトのヘルプでも書いているように、ウェブ・ページは公共の場にある資源なんですから、ディープリンクを認めるウェブ制作者が増えることを願っています。
どうしても入り口のページから入ってほしいというのなら、HTML サーバーやスクリプトにある程度の知識があれば、特定ページ以外から参照できないページ作りも可能ですが。
もっとも、サイト内のすべてのページが入り口になるような作りであれば、まったく問題ないことなのです。
今でさえ index.html という名のページは / (スラッシュ) で表示できる「ホームページ」(トップページ) として認識されていますが、index の元の意味は索引、見出し、目次といった意味です。しかし、「リンクはトップページにしてください」と書かれたサイトの多くが、その index ページにバナー画像を置いて、実際に索引のあるページへのリンクを張っただけ、という状況だと思います。これでは肝心の index ページは索引の意味をなしていません。ただ、現在では index 以外のページが検索エンジンなどによって入り口となる状況。特に入り口ページを意識する必要はないのですが……なぜワンクッション置く!? なぜメインとなるページの前に重苦しい玄関ドアのようなページを設けるんですか!? 多くの人はメインとなるページをお気に入り (ブックマーク) に登録しています。自信を持って言えます。間違いありません。
ディープリンク禁止なページには、サイトの構成としてフレームを使用しているところもあると思います。フレームを使っているからトップのページだけお気に入り (ブックマーク)、もしくはリンク対象にしてほしい、と。
次回、フレームを使用したページについて書きたいと思います。